2013年04月15日

Documentary 1000 -0011 明日へー支えあおうー 「あなたに 〜瀬戸内寂聴 心を語る〜」

この番組では、瀬戸内寂聴さんの被災後の活動、「青空講演」をベースに、これまでの被災者との邂逅とその後の様子を伝えている。
基本となる講演は2012年2月。東日本大震災からまもなく2年を迎えようとする仙台市。
これまで寂聴さんが千キロに及ぶ説法の旅で出会い、話をした被災者は1000人以上。その被災者たちが講演会場には何人も訪れていた。

寂聴さんの講演の内容に合わせ、被災者との出会いの頃がフラッシュバックされる。
原発事故により、故郷を奪われ、家族と離ればなれになったままの人。
自分たちも被災者でありながら、被災地のためにとボランティアをかって出た若者たち。
行政の支援を待つこと無く、自分たちの街を取り戻そうと活動を続ける人。

説の終わりにはノルマルに寂聴さんの言葉が記される。

▼ この国の未来を引き継いで行くのは子供たち
▼ 目に見えないものを大切にして生きる
▼ 幸せは、笑顔の元にやってくる
▼ 亡くなった人の魂は、愛する人の側にいる
▼ 自分より、他人の幸せを考える

ともすれば、被災者たちのオムニバス・ストーリーが、寂聴さんの語る言葉によって繋がれ、寂聴さんとの出会いによって紡がれ、一つの物語として語られて行く。

そして番組の最後では、2013年3月を迎えた時点で、それぞれの被災者の生活をあらためて紹介する。

そこには寂聴さんの言葉を胸に、あらたな一歩を踏み出した人たちの姿がある。

この番組の主人公はあくまで瀬戸内寂聴さんなんだとは思うが、一方で被災者達一人一人の語られるべき物語があるからこそ成立している部分が大きい。

3年目に入り、ともすれば多くの人々の記憶から失われていこうとしている震災。
しかし、一方ではまだ何も終わっていない現実がそこにある。

番組の結びに寂聴さんは語る。
「人は忘却の生き物であり、辛いことを忘れることが出来るというのは素晴らしいこと。しかし、その一方で決して忘れてはいけないこともある。」

自分も、メディアに携わる人間として、今だからこそ語られるべき物語をもう一度考え直してみたい。



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2013年04月17日

スティーブ=ジョブズ 神の交渉力



ずっと前にDLしていた電子書籍をこの独立のタイミングでようやく読むことが出来た。
ジョブズと言えば、アップルの創始者であり、iPodそしてiPhoneを生み出した人物として知られている。
個人的にジョブズに興味を持ち始めたのは、自分でiPhoneを使うようになってからだ。

「世界を変えるものを作り出す」

ジョブズの持つ哲学は、魂を揺さぶる何かがある。

その魅力はいろいろな形でいまも語り継がれている。

一方で、その人間像はあまり良く知らなかった。

一言で言うなら、気違い染みた自己中、といったところだろうか・・・

このジョブズの自伝的なビジネス本を読み終わって、ジョブズに対する敬意や尊敬は微塵も湧いてこなかった。
それくらいむちゃくちゃな人だ。
でも、だからこそ、あれだけの偉業をなすことが出来たのだとも思うけど。

その感性は、きっと常人がバカに見える程豊かで、先見性は凡人から見ると未来を可視できるほどの能力に見える。
それくらいかけ離れている。

凡人である自分が唯一共感出来たことは、ジョブズが決してお金のために仕事をしてこなかった、という一点だけだ。
常に世界を驚かせることに命がけで、仕事より楽しいことなど存在していなかったに違いない。

以前呼んだ別の本で、仕事より面白いものはない、といった趣旨の教訓を書いた日本人経営者がいたが、まさにそんな感覚なのだろう。
だからこそジョブズは平気で社員に「週90時間、喜んで働こう」と詠ったのだ。

そして常に常識を覆すスピードの仕事速度と完成度を要求したという。
これは万人が一日の仕事時間を8〜10時間程度に捉えているから異常に聞こえたという。
しかし、かつては松下電器やソニー、ホンダの創始者たちも同じような言葉を口にしていた。
「一日は24時間ある。」

ジョブズ自身も、アップル創業時は寝食を忘れ作業部屋に泊まり込んで仕事に明け暮れていたという。
そうした体験があるからこその言葉なのだ。

そして、ジョブズが求めた納期は、開発現場からの積み上げ算ではなく、マーケットが欲しがる日からの逆算だったという。
出来る出来ないではなく、目標に向かって死ぬ気で努力する。
それこそがジョブズの仕事哲学の軸のように思える。

自分自身、ジョブズにはなれない。
残念だけど、なりたくもない。

でも、一生懸命仕事をすること。
興味があること全てに全力を尽くすこと。
世界をわくわくさせるものを生み出すこと。

その思いは少なからず秘めていたいと感じた。

本書は良書とは言いがたい。
ジョブズの悪い面がものすごく丁寧に描かれている。
別にジョブズファンではないが、それはとても一方的だ。
凡人がジョブズの表面だけをなでて、強引にまとめた、そんな印象だ。
もしジョブズ自身の言葉がもっと随所に語られたとしたら、その印象はまたずいぶん違ったものになっていたかもしれない。
・・・もちろん、そうでないかもしれないが・・・

とにかく、世の先頭に立つ人間は良いも悪くもどこか突き抜けている、ということだけは分かる。

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2013年04月22日

ブラックジャックによろしく



長年、読みたいと思いながら忙しさや日常に埋もれ、それが叶わない作品は星の数ほどある。
それは小説に限らず、漫画だって同じ。
そんななか、「ブラックジャックによろしく」が全巻無料という神なる電子書籍を発見。
むさぼるように読みふけった。

物語は研修医斉藤医師が医療の現場で制度や組織の矛盾と必死に戦う物語。
でも、そのなかで斉藤医師が本当に戦っていたのは、人間そのものなのかもしれない。

ネタバレになるので内容は書かないが、この作品の中では人のエゴ、保身、身勝手、わがまま、偏見、差別が洪水のごとく押し寄せて来る。
救いようのない事実が強烈に突きつけられる。
魂がゆさぶられる圧巻の作品。

もう一度、自分を見つめ直すことができそうだ。
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2013年04月24日

Documentary 1000 -0012 プロフェッショナル 〜仕事の流儀 自分にしか出来ない仕事がある〜

主役はソーシャルビジネスの日本におけるパイオニア、渡邊千恵子さん。
いくつもの壁を乗り越え、いまに至るまでの軌跡を追っている。

前半は、シングルマザーとして、社長として、二足のわらじ。
キャラクターを紹介しつつ、現状を描く。

ソーシャルビジネスとは何か、を適切に説明しつつ、
韓国でメイドインジャパンを販売するという一つの山を消化する。

中盤は過去の回顧。
現在の仕事にいたるターニングポイントを描く。
そこで、仕事に対する信念を得たきっかけが明かされる。

後半はこれからに向けてのターン。
カンボジアでの新規事業を取材する。
「援助」ではなく、「同じ夢を追いかけたい」。
その言葉をもって番組は終わる。

前半は飽きがこないように魅力的な場面を重ねて一つの山は描き切る。
キャラクターに親しみが湧いたところで、過去を堀り、深みを持たせる。
そして主張すべき主義は後半の山場に畳かける。

次回作のお手本となるような、王道の構成。
見せるべき軸、主義主張がはっきりとしていて分かりやすい。

なるほど、ね。

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